これは仕込39号出品用大吟醸の留仕込みの掛米を自然放冷しているところ。曇って見える部分は、カメラマンの腕が悪いんではなくて蒸米が冷気にさらされて上がっている蒸気です。
大吟醸の仕込みではどこの蔵でもよくある場面ですが、大信州ではすべての仕込みの酒母・麹米、掛米も仕込みの半分近くをこの方法で行います。
普通は強制冷却する機械を使います。もちろん、当蔵にもありますが、敢えて時間をかけてゆっくり自然の冷気でさらすと、米のしまり具合も理想に近づきます。やはり、昔から残っている手法にはちゃんと理由があるんですね。
時間がかかるので効率的ではありませんが、手間暇かけておいしいお酒を造ろうという心意気と、技術を伝承する意味でも当蔵では欠かせない作業です。
今日、仕込39号鑑評会出品大吟醸仕込みの醪が立ちました。これから約30日間、子守が始まります。
(田中 隆一)