蔵から見晴らすのは、凛々しい北アルプスの山並みと稲穂が風に揺れる田圃。湿度の低い環境が病害を寄せつけない健康な米を育み、さらに昼夜の寒暖差が旨みを凝縮させます。大地を潤すのは北アルプスからの雪解け水。やわらかでいて清々しい味わいは、長年月をかけて地中をめぐったからこそ。山々が白く粧う頃には凍てつく寒さが一帯を包み、酒造りの季節の到来を知らせます。
酒を醸すこと、それは蔵を取り巻くこれら大自然と融合することを意味します。人は決して逆らわず、静かに調和をとることに注力するのみ。水、米、自然、そして人が一体となり、やがて一滴へ。その一滴は、天の恵みにほかなりません。わたしたちは信州の地の恵みに感謝を捧げ、「天恵の美酒」を醸し続けます。